引き継がれたもの——憧れが生んだ先輩の姿
洋弓部
2025/02/12
アスリート&スポーツ
OVERVIEW
洋弓部は男女共に1部リーグに所属し、常に上位を争う強豪だ。しかし部員の半数以上を未経験者が占める。数少ない経験者として入部した徳永祐未(理4)は1年次から優秀な成績を収め、女子主将に就任。2024年6月、チームを第59回全日本学生アーチェリー女子王座決定戦(全日本)まで導く。部を引っ張ってきた頼もしい彼女も、目の前を走る上級生の大きな背中に憧れていた。
大きな背中への憧れ
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弓を構える徳永祐未
高校からの競技経験を買われた徳永は、リーグ戦メンバーに唯一1年次から選出される。入学直後の彼女にとってチームになじむことが一番の課題だった。不安を感じていた中、先輩からの声掛けに助けられる。他のメンバーと話すことで安心感を覚え、自身の実力を伸ばすことに集中できた。全日本進出の5枠をかけて臨んだリーグ戦(予選試合)。周りの選手は他大学も含め、ほとんどが3、4年生だった。年上に囲まれた状況下で、徳永は団体順位に貢献するスコアをたたき出す。他のメンバーも高得点を獲得し、立教大学は全日本への切符を手にした。リーグ戦を通して、自分のことはもちろん、後輩への気配りも忘れない上級生の姿に憧れの気持ちを抱く。「こういう先輩になりたい」。その気持ちは最高学年となった今でも忘れず、後輩と積極的にコミュニケーションを取ろうと心掛けている。
主将として
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手で「R」を作る洋弓部員一同
豊富な大会出場経験から第63代女子主将となった徳永。「後輩を引っ張り、チームの成績を上げたい」。目指すは選手が練習に意欲的になれる環境。以前から行ってきた長時間の射ちこみは、練習の質の低下になりかねない。そこで試合を想定して点数で競う「演習」を取り入れ、集中して1射に向き合うようにした。成功体験を積むことは競技へのモチベーション向上につながった。さらに、日頃から選手同士でお互いのプレーについての意見を述べる場を設けた。他者からの見解が成長の実感につながり、目標とする姿が鮮明になった。
また、上級生としての発言に説得力を持たせようと、徳永は自らも結果を追い求めた。成績を残すために、以前からの課題の改善に取り組む。弓を構える時に弦から指が滑ってしまうことに悩んでいたが、少しでもプレーを改善すべくコーチと相談し、フォームの変更という大きな決断を下す。彼女の判断は功を奏し、23年9月に第35回全日本学生フィールドアーチェリー選手権大会(インカレ)で優勝の快挙を達成。その実績が徳永のアドバイスに重みをもたせることにつながった。
主将としての取り組みの影響が如実に表れたのは、今年の第59回全日本学生アーチェリー女子王座決定戦。団体戦で彼女が目にしたのは強豪校の選手に引けをとらない後輩たちの頼もしい姿だった。大会は7位と去年の8位よりも順位を上げた結果で幕を閉じる。来年の目標は今年よりもさらに上位へ。徳永は期待を後輩に託し、3月に新たな門出を迎える。
主将としての取り組みの影響が如実に表れたのは、今年の第59回全日本学生アーチェリー女子王座決定戦。団体戦で彼女が目にしたのは強豪校の選手に引けをとらない後輩たちの頼もしい姿だった。大会は7位と去年の8位よりも順位を上げた結果で幕を閉じる。来年の目標は今年よりもさらに上位へ。徳永は期待を後輩に託し、3月に新たな門出を迎える。
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笑みを浮かべる徳永
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笑顔で集合写真に応じる洋弓部女子の選手たち
「立教スポーツ」編集部から
立教大学体育会の「いま」を特集するこのコーナーでは、普段「立教スポーツ」紙面ではあまり取り上げる機会のない各部の裏側や、選手個人に対するインタビューなどを記者が紹介していきます。「立教スポーツ」編集部のWebサイトでは、各部の戦評や選手・チームへの取材記事など、さまざまな情報を掲載しています。ぜひご覧ください。
writing/「立教スポーツ」編集部
文学部文学科文芸思想専修2年次 新藤優子
writing/「立教スポーツ」編集部
文学部文学科文芸思想専修2年次 新藤優子
※本記事は季刊「立教」270号(2024年11月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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