日本初のAIに特化した研究科からAIとの新たなかけ算の可能性を創る

人工知能科学研究科 委員長 内山 泰伸 教授

2020/10/28

研究活動と教授陣

OVERVIEW

2020年4月に、日本初の人工知能に特化した大学院研究科が誕生しました。人工知能をさまざまな学術の進展に活用したり、社会のさまざまな課題の解決に応用したりするための研究を行います。

※掲載している情報は取材時点(2020年3月)のものです。

あらゆる業界から、多様な人材を集めてAIの時代を切り拓く

日本は高度経済成長期に製造業中心の国を作りました。しかしものづくりに集中投資すべき時代から、10年以上前に情報技術が産業のドライバーとなる時代に切り替わっています。『GAFA』のような企業の台頭はその結果ですが、残念ながら日本はその変化に対応しきれませんでした。その原因はいくつもありますが、人材を文系・理系という括りで分け隔てていることも、根本的な理由の1つです。今さまざまな企業でAIの利活用が進んでいますが、日本企業は企画・プロデュースをする人とそれを実装するエンジニアの役割がはっきり分かれてしまっています。実際にプランニングをする人の多くが「技術をどう使えば有効なのか」をよくわかっていないことが多いのです。表面的な知識しか持っていない人がAIを活用しても、結果は今一つになりがちです。そうした状況を少しでも変えるためにも、この新しい研究科には、幅広い年齢の、あらゆる業界と業種の方々に集まってもらいたいと考えています。

まだこの世の中に存在しないものを創り出す

AIはきわめて大きな可能性を秘めた分野ですから、「こういう業界で利用した方がいい」「こういう職種の方が学んだ方がいい」と、今の価値基準で限定するべきではありません。企業の方、自治体の方はもちろん、例えばアーティストの方が学んでもいい。私たちの予想を超える発想を持った方が来てくれた方がおもしろいと考えています。人工知能科学研究科はどの学部にも紐づかない全方位型の「独立性」を持つため、実際に多様な分野の方々が入学しています。大切なのは、今までなにをやってきたかではなく、これからなにをやっていくか。もちろん文系であろうが、理系であろうが、「まだ世の中に存在しない新しいものを創りたい」という視点が大切なのです。

世界に誇れる新しい「何か」がどんどん生まれてくる場に

AIはまさしく日進月歩で進化しています。100年後に役立つような研究をすると同時に、「1年1年が勝負」という緊張感を持ってイノベーションに取り組んでいかなければいけません。そのためにさまざまな企業や自治体のビッグデータに触れることができる産官学連携プロジェクトも積極的に実施する予定ですし、多彩な経歴、経験を持つ学生同士がインタラクティブに絡み合いながら“アイデア”を昇華させていく環境づくりにも力を入れます。多岐にわたる分野の人間が集まることで、これまでのAI領域にとどまらない成果が生まれることを目指しているのです。まずは「AIに関する情報が集まるプラットフォーム」を作り、やがてこの場所から世界が驚くような知見がどんどん生まれてくる研究科にする。なにが起こるかわからない、なにが生まれるかわからない。そんな刺激にあふれた研究をしていきたいと考えています。

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