地域と、こどもと作り上げる共同事業
豊島こども大学
2023/10/11
立教生のキャンパスライフ
OVERVIEW
立教大学文学部100周年を記念して始まった豊島区との共同事業「豊島こども大学」。豊島区の小学生を対象に、地域の魅力に触れながら体験的に学ぶ多彩なプログラムを企画・実施しています。2023年で17年目を迎え、約40人の学生が参加するこのプロジェクトについて、代表を務める文学部文学科日本文学専修4年次の大下由乃さん、副代表を務める文学部文学科文芸・思想専修3年次の日高咲さんに語ってもらいました。
豊島こども大学との出合い、参加のきっかけ
豊島区の小学生30人ほどが「こども大学生」として活動に参加。立教大学の学生スタッフとともに、多様な体験型学習に取り組み、楽しみながら学びを深めていく
大下:コロナ禍で入学式がなく、新歓活動も制限されており、入学前にSNSで情報収集していたところ、豊島こども大学の存在を知りました。私は中学から池袋に通っており、豊島区のさまざまな地域にも興味があったことから参加を決めました。それまで社会貢献やボランティアの活動に取り組んだことがなかったので、新たな挑戦を通して世界を広げたいと思ったのです。
日高:私もSNSや案内チラシを見て興味を持ち、活動を見学したところ、先輩方の真剣に取り組む姿にひかれました。小学生や社会人の方など、異なる年代の人たちと関われる点も魅力的でした。
印象に残っている経験とそこから得た学び
大下:豊島こども大学では、8月から12月に開催するイベントを中心に、年間を通して活動しています。特に思い出に残っているのが、マンガ・キャラクターに関する学習企画です。22年は企画長として、豊島区を知るための企画を考える中で、区内にある「トキワ荘マンガミュージアム」が思い浮かびました。そのアイデアをきっかけに、豊島区から日本、そして世界に発信されるマンガ・アニメ文化を知る企画が生まれました。
日高:マンガミュージアムへのアポ取りから始まり、何度も打ち合わせを重ねました。社会人や保護者の方々とやりとりする機会が多く、メールの書き方やコミュニケーションの取り方など、幅広い学びがありました。本番当日はミュージアムの見学やキャラクター作成のワークショップを実施。こどもたちが元気に楽しんでいる姿を見て、喜びを覚えました。
大下:こどもたちがキャラクターを描いたノートを、イベント後も「トキワ荘通りお休み処」に展示しました。そのノートに来館者の方からコメントを書いていただくなど、交流の機会をつくれたのがうれしかったです。
ゴールボールでは音の鳴るボールを使用。聴覚を頼りにプレーする(右が日高さん)
日高:スポーツ体験企画も印象に残っています。ゴールボールは視覚しょうがいのある方を対象に考えられた球技で、パラリンピック種目の一つです。この企画では、最初に学生スタッフが主導してゴールボールに関する学習を行い、その後に体験会を実施。そこでは立教大学の卒業生であり、元日本代表の若杉遥さん※(ALSOK)に講師を務めていただきました。パラスポーツを実際に経験できて、とても貴重な学びになりました。
大下:私はこの企画でも企画長を務めました。若杉さんの所属先との打ち合わせや会場の下見、必要な道具の確認、全体のスケジュール調整など準備は多岐にわたりましたが、当日は無事に運営できて安心しました。これらの活動を通して、多角的な視点から企画内容や実現性を検討し、綿密に計画を立てる力が鍛えられました。
※ 若杉遥さん:2018年社会学部卒業。
豊島こども大学の魅力
大下:豊島区のさまざまな地域に足を運び、たくさんの学びにつながる体験ができるのが豊島こども大学の魅力です。豊島区をもっと知りたい方、こどもが好きな方、企画に興味がある方はきっと楽しめるはずです。
日高:私は多様な人と関われる点がいいなと感じています。社会人の方やこどもたち、そして学生メンバーにもいろんな活動をしている人がいて、交流を通して視野が広がります。
大下:文学部公認団体ですが、他学部の方も参加できます。興味のある方はぜひ一緒に活動しましょう!
2022年度の主な活動
点字体験企画の様子。点字を使って自分の名前や好きな言葉を書いた(中央が大下さん)
- [4~5月]プログラムの企画、新歓活動
- [6月]豊島こども大学生(参加小学生)の募集
- [7~8月]プログラムの準備
- [8月20日]開校式
立教学院諸聖徒礼拝堂(池袋チャペル)にて開催
- [8月21日]マンガ・キャラクター企画
トキワ荘マンガミュージアム等の見学、キャラクター作成を体験
- [8月27日]伝統文化体験
各国の伝統料理をテーマに、世界の文化について学習
- [8月28日]東京芸術劇場ツアー
東京芸術劇場を見学し、豊島区内の演劇文化について学習
- [11月5日]スポーツ体験企画(ゴールボール体験会)
ゴールボール競技に対する理解を深め、プレーを体験
- [11月6日]点字体験企画
豊島区立中央図書館にて、点字の打ち方・読み方を学習
- [12月17日]区長とティータイム
区長と区役所職員の方に、こども大学生が活動成果を報告
- [12月17日]閉校式
豊島こども大学生へ修了証等を授与
- [1~3月]活動の振り返り、次年度の準備
※本記事は季刊「立教」265号(2023年7月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
CATEGORY
このカテゴリの他の記事を見る
立教生のキャンパスライフ
2024/11/27
「大学生と埼玉県議会議員との意見交換会」開催レポート
コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科