生産者との対話から課題を発見。
規格外野菜を活用したピクルスで、持続可能な農と食に貢献したい

法学部国際ビジネス法学科4年次 佐々木 絢美さん

2021/11/30

立教生のキャンパスライフ

OVERVIEW

地域課題の解決をテーマにする法学部薬師丸正二郎ゼミの住民班7人が開発した商品『Pickles Beauty』。この色鮮やかなピクルスには、規格外になった横須賀産のブランド野菜が使われている。代表の佐々木絢美さんは取り組みのきっかけについてこう話す。

無印良品コースカベイサイド横須賀店でのイベント販売風景。4月に4日間開催され、毎回約2時間で売り切れるほど好評だった(中央が佐々木さん)

「法学部の学びで培った折衝力や情報収集力を実社会に役立てたいと考え、ゼミに入りました。そして、2年次に横須賀市の農業について調べる機会があり、そこから『よこすか野菜』の魅力と生産者が抱える課題に着目するようになったのです」

地元農家へのヒアリングを行った結果、形や色がふぞろいの規格外野菜は、品質が良くても適正価格で販売できない事実を知る。そこで、現状分析や事例研究を重ね、加工による付加価値の創出と独自の販路開拓という目標を設定。「カラフルで栄養豊富な『よこすか野菜』をハート形などにカットし、家飲み需要や健康志向の高まりに応えるピクルスを作ろうと決めました」と回想する。地元農家に提案を繰り返し、一般社団法人KAKEHASHIと共同で商品化させることに成功した。

※一般社団法人KAKEHASHI:横須賀市の職員が「熱い思いを持つ人をつなげる懸け橋となり、世の中をもっと良くすること」を目的に設立した法人。地域の特産品の開発や販路開拓の支援などを行っている。

「瓶の形状選びからタグデザイン、ピクルス液のレシピ開発、食品表示法の勉強まで、すべてが試行錯誤の連続でした。特にこだわったのが、おいしさと見た目のかわいさです。商品としての魅力だけでリピーターを生み出せる、持続可能なビジネスモデルの確立を目指しました」

佐々木さんたちは、無印良品コースカベイサイド横須賀店の協力を得て、店頭販売も行った。「お客さまに、食品ロスの一因になる規格外野菜や地域農業の課題について知ってもらえたことがうれしい」と意義を語る。

「ゼミ活動を通し、日々の生活からビジネス的視点や法的思考で物事を捉えられるようになりました。在学中はピクルスのさらなる改良や販売促進に励みます。そして、就職内定先の食品メーカーでも、『誰もが心身ともに健康でいられるサステイナブルな食の仕組みづくり』を追求していきたいです」

横須賀市にある「鈴也ファーム」のミネラル豊富な土壌で育った野菜を使用。商品加工は「横須賀セントラルキッチン」が協力した

何度も試食を繰り返し、おいしさを追求。ブドウが原料のホワイトバルサミコ酢を使い、香り高くワインにも合うピクルスを生み出した

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